電気自動車の最大のコスト要員はバッテリーです。近年世界の自動車メーカーは、持続可能性はもちろん、コスト効率に優れ、長距離走行に十分な駆動力を叩き出すバッテリーの開発および製造法を模索しています。角型やパウチ型に加え、大手メーカーは直径46ミリの丸形バッテリーへの依存度を高めています。SCHUNKはこのような電池のハンドリングに特化した新しいツール、RCG 丸型バッテリーグリッパーを設計しました。自由自在に拡張できるため、個々のバッテリーセルを扱い、自動的に列に並べることができ、複雑でない安全な方法で、バッテリークラスター全体を正確かつ迅速に積載可能です。
RCG 丸型バッテリーセルグリッパーは、磁気用いてバッテリーセルを上げ下げする空圧制御の電磁系統を備えています。個々のグリッパーに永久磁石を内蔵し、全工程で確実な把持力を維持します。緊急停止中に駆動力を喪失することがあっても、バッテリーはグリッパーによって保持されます。電磁力による保持力が70N以上と高いため、バッテリーの長さに関係なく使用でき、使用中のロボットの加速率を向上します。RCGの感覚的なワークと状態検出もプロセスの信頼性に貢献しています。バッテリーの有無を認識するだけでなく、ピストンストロークのモニタリングも可能です。SCHUNKの設計者は、バッテリークラスター内でバッテリーセルの出力密度を限界まで最大化し、輪郭への干渉を回避するため、RCGを46mmのバッテリーセルに正確に適合させました。SCHUNKのグリッパーには、公差補正とバッテリーセルのピッキング用に、芯出しなし、2つ折り芯出し、4つ折り芯出しの3種類をご用意しています。
このシステムは、SCHUNKの他のコンポーネントと組み合わせて生産ラインで使用することも可能です。適切なセンサー、補正ユニット、セルスペーシング装置、リニア直動軸により、バッテリーパックの連続生産における精密かつダイナミックで安全なプロセスが可能になります。