Baumann Automation社は、チェコとの国境から約70 km離れたアッパープファルツ州 のアンベルク北部にある工業団地に位置し、ロボット工学、組立て、ハンドリング、検査技術のカスタム生産プラットフォームを開発しています。標準化自動化セルは、柔軟性、拡張性、100%のカスタマイズを満たしています。「お客様の要件と当社のソリューションが完璧にマッチするよう確実にしています」とBaumann社のアセンブリソリューション部門でプロジェクトマネージャーを務めるMichael Klaus氏。「お客様は最高の機械を求めていますが、私たちの目的もまさにそこにあります。そして、そのためには最高のコンポーネントが必要なのです。」グリッパーやチェンジシステムなど、Baumann社のシステムの多くの分野でSCHUNKの製品が採用されています。バイエルン州北部の特殊機械メーカーが最近、極めて困難な課題に直面していました。つまり、顧客の既存製造ラインに正確に適合するよう、極めてコンパクトな寸法のねじ締めセルを設計する必要があったのです。「5台のねじ締めステーションと2台のハンドリングユニットを、限られたスペースに収容する必要がありました」と、プロジェクトマネージャーの Klaus氏は説明します。「わずか数ミリでも重要な意味を持つプロジェクトで、スペースの不足が最大の課題でした。しばらくは解決策を模索していましたが、SCHUNKとの集中的なエンジニアリング段階を経て、ついに最高の解決策を見つけることができました。それは、ねじ締めユニット用に5つの独立可動スライドを備えたSLDリニア直動軸の採用でした。」
スチールビーム上の1.81 mの長さのSLD直動軸は、セルの幅全体に渡り水平に広がっています。この軸には5つの高精度ガイド付きスライドが付いており、それぞれのアプリケーションに応じた制御のもとで独立して動かすことができます。このx軸の各スライドにアダプタープレートを介してSCHUNKのLDN汎用リニアモジュールが設置されています。これは、Xプロファイル、リニアダイレクトモーター、ローラーガイドを備えたリニア軸となります。Y方向に移動する各LDNモジュールには、Z方向にねじ締め加工を行うエンドエフェクターとして、ねじ締めスピンドルが取り付けられています。
ねじ締めプロセスの開始時に、ワーク (組立て前のポンプアセンブリ) は、ワークキャリア上のインフィードコンベアを経由して左側のねじ締めセルに到達します。セルの入り口では、コンポーネントに貼られたバーコードラベルがスキャンされ、保存されているすべての製品データが読み取られます。そして固定された垂直のハンドリングモジュールから吸引グリッパーを使ってコンポーネントの蓋が自動的に取り外され、二次コンベア側に配置されます。二次コンベアは、蓋が再び取り付けられるまでプロセスと並行して蓋を運びます。その後、蓋のないハウジングは4つのねじ締めステーションを循環します。ハウジングには様々なねじが取り付けられ、回路基板が装着されます。最後に、吸引グリッパーを備えた第二の固定式垂直ハンドリングユニットが、二次コンベアから蓋をピックアップし、ハウジングに戻します。蓋は最後となる5番目のねじ込みステーションでようやくねじ込まれます。最後に、ポンプアセンブリがセルから右手前に移動されます。スピンドルに統合されたねじ締めプロセスの品質モニタリング機能により、完璧なねじ接続が保証されます。ねじの接続に不具合があった場合、NOKのコンポーネントは自動的に排出されます。セルは24時間365日、完全自動で稼動します。手作業が必要なのは、不具合が発生した場合のみです。Baumann社は、「ro|box」基本セルモジュールを、アクセスしやすく操作が簡単になるよう設計しました。
5つのねじ締めステーションは、それぞれ独立してSLD軸に沿って移動します。このため、さまざまなねじ締めプロセスを正確に調整することができ、すべてのねじ締めプロセスを確実に行えることを意味しています。これにより、現代の環境に優しいエネルギー技術における重要な製品であるポンプが、完璧な品質でポンプメーカーの次の製造ラインステーションに渡されることが保証される基盤となっています。「SLDの堅牢性と精度が完璧なねじ締めプロセスを実現し、最終的に不良品や無駄を省いてくれます」とMichael Klaus氏。
特定のアプリケーションでは、このSLDリニア直動軸は5つのスライドそれぞれに、アダプタープレート、LDNリニア軸、ねじユニットを含めて約10〜12キログラムを搭載しています。重量仕様のプロファイルレールガイドにより大きな耐荷重が可能となり、高精度のプロセスが実現します。スライドまたは直動モーターには、それぞれ別のコントローラーがあります。TTK 70S 非接触式直動エンコーダは、絶対位置と絶対速度を最高精度で測定します。プロジェクトマネージャーを務めるKlaus氏は、「モーターと安全機能を統合することでコンパクトな設計が実現したため、SLDではスペースの問題を解消できました」と振り返ります。「もしそうでなければ、1.60メートルの2つのセルサイズにねじ締めプロセス全体を収めることはできなかったでしょう。」
SCHUNK製の構成可能な標準製品、直動軸SLD 11の導入は、Baumann社にとって素晴らしい費用対効果をもたらしました。ユーザーは、モジュラー式の取り付け、設置、組み合わせが可能な点から恩恵を受けます。例えば、SLDにはブレーキを搭載でき、カバーストリップの取り付けも可能です。お客様のアプリケーションに応じて、SLDは複数のアクティブモータースライドを装備することができ、これによって特殊な軸ソリューションを可能にしています。
Michael Klaus氏は「この困難なプロジェクトを手を取り合って実現しました」と断言します。「このSCHUNKの哲学は、Baumann社にとても良く馴染んでいます。SCHUNKは時間と労力を惜しまず、ベストな解決策を見つけられるようサポートしてくれました。その結果は極めて素晴らしいもので、お客さまも大満足です。まさに、すべてが完璧にマッチしているのです!」